前日、岩手山に登り盛岡市内の東横インに宿泊し、４時に盛岡市内を出発して早池峰を目指し車にて移動する。今日は 本当に快晴といった天候であり、快適な山行きが期待できそうである。６時前に入山口のある河原坊に到着すると、す でに駐車場には車がいっぱいである。これでは土、日がマイカー規制になっているのもうなづける。

６時ジャストに河原坊を出発、和製エーデルワイスと言われるハヤチネウスユキソウ咲く早池峰の中へと入って行った。 しばらくはフキやクガイソウが多い狭い登山道を歩いて行く。コメガモリ沢沿いの登山道から上空を見上げると雲一つな い青空とこれから行く早池峰の岩峰がはっきりと見えていた。

石の上をぴょんぴょんと跳ねるように進むが、今日の山は標高差が少なく時間を要しないためゆっくり行こうと自分に言 い聞かせながら進む。何度か沢を渡り進むと前方に登山者達が見えてきた。何組かの登山者を抜くと更にその先には 約２０名ほどの団体が見えていた。

団体に近付くと「先に行かせてやってくれ。」と１人の男性が声を掛けてくれたので、きついが一気に約２０名を抜き去っ た。その後はミヤマオダマキやミネウスユキソウ等を眺めながらゆっくりと急な登りを登って行った。頭垢離(こうべごうり) を通過すると岩場の登山道は更に急な道となり、岩が壁のように迫ってきている。

急な登山道を休み休み登ると今日の登山の目的であるハヤチネウスユキソウが少しづつその清楚な姿を現しはじめる。 登山道を振り返ると登って来た急な岩場がすごく下に見え、抜かして来た登山者がまるでアリのように小さく見えてい た。

千丈ｶﾞ岩や打石という巨岩の近くには多くの和製エーデルワイス、ハヤチネウスユキソウが今が盛りと咲いていた。ハヤ チネウスユキソウを見ながら山頂を目指し、鎖場を越え進むと広い、広い早池峰の山頂に到着した。

早池峰アルバム    ハヤチネウスユキソウと仲間達！  

広い山頂からは３６０度視界が開け今日の快晴の空の下山並みが続いている。山頂の北側の行くと北西方向にひとき わ目立つ山があり、近くにいた男性に聞くと「あれは岩手山だよ。」と教えてくれる。昨日登った山が見え、また感激であ る。男性は西側方向に見える雲の上に頭を出した鳥海山も教えてくれるのであった。

その後は山頂の南側の早池峰神社の前に行き眺めを満喫する。目の前には薬師岳が大きく見え、西方向には太平洋 までが視界に入ってくる。素晴らしい！絶景を眺めていると続々と登山者が山頂に到着してくる。小田越の方向から登っ て来る登山者も多いようだ。

山頂からの絶景を十分に楽しんだ後、小田越方向へと下り始める。コバイケイソウの横を通り、少しの間平坦な歩きとな るが下りだすと一気に小田越まで下ることになる。天狗の滑り岩と呼ばれている大きな岩壁に設置された急な梯子を下 り、小田越から登って来る多くの登山者と行き交うことになる。

登山道の右手には登りに使った河原坊のコースが良く見え、やはりあそこは急なのでこちらのコースから登る人が多い ようであった。五合目御金蔵という大きな岩のある場所を通過し更に下ると小田越の小屋が見えてくる。下山途中で地 元の夫婦の方に会い、花の説明を受け、お礼を言い更に下ると樹林帯となって小田越えの入山口はすぐであった。

小田越からは車道を歩き、入山した河原坊まで下って行ったが車道には何台かの車が停める場所がないため駐車して いた。河原坊の駐車場も満杯であった。下山後、まだ１０時のため遠野に向かいカッパ伝説で有名なカッパ淵に向かう。 カッパ淵近くの道路からは遠く早池峰が私を見守ってくれていた。

和製エーデルワイス、ハヤチネウスユキソウの咲く早池峰は噂どおりの素晴らしい山であり、快晴の空の下私を迎えてく れ、また一つ忘れられない山が増えたと思う帰り道であった。